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製作経理根津奈都子(株式会社エンターテインメント・パートナーズ アジア)

 欧米の映画製作において、製作経理は非常に重要なポジションである。予算組みの段階からプロジェクトに参加し、準備・撮影期間中は日々の出金・支払い状況を把握し、次なる状況を常にシミュレートして報告することで、予算オーバーのリスクを軽減する。また、予算管理の透明性を高めることで、企画に確実性を持たせ、資金調達を行いやすくすることもできる。要するに製作経理は、プロデューサーが現場を切り盛りする上で、もっとも重要な部分をシェアするパートナーだ。

 現在のところ日本ではまだ製作経理の役割が確立されておらず、製作現場に浸透もしていない。しかしプロデューサーもしくは出資者がその存在の有用性を理解できれば、製作経理は非常に大きな戦力となりうる。では、なぜ本来の役割が機能しないのか。出資者(製作委員会などの団体を含む)の製作管理に対するアプローチと、日本映画の慣習的な製作体制そのものが壁となっているのではないだろうか。

目次

1. はじめに
2. 製作経理の役割
 2-1. 日米の製作経理の役割の違い
 2-2. 製作経理の観点から見た現在の問題点
  (1) 製作委員会方式
  (2) 完成保証制度
 2-3. 新たな製作方式
3. 製作経理の実務
 3-1. 企画開発段階
  (1) 予算表作成
  (2) 予算表の考え方
  (3) 予算表作成ソフト「Movie Magic Budgeting」
  (4) 法務との連携
  (5) キャッシュフロー
 3-2. 準備段階
 3-3. 撮影段階
  (1) コストレポート
 3-4. 仕上げ段階
4. プロデューサーを支える製作経理
 4-1. 求められるプロデューサーの意識改革
 4-2. 求められる製作経理の能力
 4-3. 日本映画の国際的なビジネス展開を支える基盤作り
5. MMB予算項目例
 5-1. Category Description
  (1) Above the Line
  (2) Below the Line Production
  (3) Below the Line Post Production
  (4) Below the Line Other Charges
 5-2. Description

基本情報

ページ数
42ページ
出版社
経済産業省
言語
日本語
発行年
2011年