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映像コンテンツ関連税務山下 貴(山下貴税理士事務所 税理士)

 本稿の目的は、映像コンテンツ製作(※注1)に携わるプロデューサーが、作品製作の全体を管理する責任者としての立場から留意すべき、税務上の重要事項の概要を解説することにある。もちろん、プロデューサーは税務の専門家ではないのだから、以下に掲げた論点の詳細を完全に理解する必要はない。しかし、各論点の全体像と、そこを貫く問題意識だけは、ぜひ共有してもらいたい。なぜならば、映画製作会社、配給会社、テレビ局、出版社、DVD販売会社、広告代理店などといった、従来、映像コンテンツ製作に関わってきた各業界が、大なり小なり苦境に陥っている現状に鑑みると、わが国の映像コンテンツビジネスの将来的な成長のためには、これらの各業界内部からの「閉じた製作資金調達」にとどまらず、業界外部からの「開かれた製作資金調達」が不可欠であるので、プロデューサーが業界外部の投資家や金融機関などに対してプレゼンテーションを行う際には、投資家などが常に気にかけている税務上の諸問題について、それらを専門家に丸投げすることなく、プロデューサー自身が問題意識を共有し、配慮しているという姿勢を投資家などに示すことが極めて重要だからである。

※注1 コンテンツビジネス業界においては、慣習的に、成果物の著作権などの権利を持つ形で作品作りに関与することを「製作」といい、権利を持たない形で作品作りに関与することを「制作」というように言葉を使い分けているが、本稿ではいずれも「製作」と表記することとする。

目次

1. はじめに
2. 製作委員会方式の問題点
3. 資金調達における税務のポイント──事業体課税
 3-1. 民法上の任意組合
 3-2. 商法上の匿名組合
4. 製作段階での税務のポイント(1)──報酬・料金に対する源泉徴収
 4-1. 源泉徴収制度の意義
 4-2. 居住者に支払う製作費にかかる源泉所得税
5. 製作段階での税務のポイント(2)──非居住者・外国法人と国際源泉課税
 5-1. 非居住者に対する課税関係の概要
 5-2. 外国法人に対する課税関係の概要
  所得税法161条7号ロ──著作権法完全リンク説の骨子
  所得税基本通達204-6
  所得税基本通達161-22
6. 資金回収段階での税務のポイント──債権管理と貸倒損失
7. 参考資料リスト

基本情報

ページ数
30ページ
出版社
経済産業省
言語
日本語
発行年
2011年