インフォメーション

[プログラム] Screenwriting|UCLA School of Theater, Film and Television

基本情報

所在地 アメリカ カリフォルニア州 ロサンゼルス
URL http://www.tft.ucla.edu/programs/film-tv-digital-media-department/ graduate-degrees/screenwriting-m-f-a/
修業期間 2年
定員 約20名
出願締切 11月1日
結果発表 3月中旬
出願に
必要な書類
  • 成績証明書
  • GMAT・GRE
  • TOEFLスコア(iBT87点以上)またはIELTSバンドスコア7.0以上
  • 推薦状(3通)
  • 志望動機エッセイ
  • ライティングサンプル
※面接は招待制
出願費用 100ドル
授業料および
諸経費の目安
概算 約6万USD

 1965年に設立されたUCLA School of Theater, Film and Television, Screenwritingプログラムは、2年間の美術修士号のプログラムで、鮮やかで魅力あるキャラクターと、すぐれた構成によるストーリーを紡ぎだす能力を磨く事を学生に求めている。このプログラムでは、キャラクターの要素、シーン、設定、テクスチャー、スタイル、会話、トーンなど、映画を彩る様々な要素が探求される事になる。大きく長編映画とテレビ番組の脚本のコースが提供されており、2年間で4本以上の長編映画、あるいはドラマの脚本を抱えた状態で卒業する事になる。1学年の人数は約20人で、平均的な年齢層は20代?40代。さまざまな国からの留学生を含めた幅広い経歴をもった学生で構成されているが、ストーリーを書きたいという情熱があり、脚本という形式に限らず、実際に書いてきた経験を持っている、というのは全てのScreenwritingプログラムの学生に共通する要素である。

 すでに多数ある地上波ネットワークやケーブルネットワークに加え、Netflix、Amazonなどのオンラインプラットフォームがオリジナルのコンテンツを製作し始めたことで、オーディエンスをめぐる競争が激化すると共に、ユニークなコンテンツの層が厚くなり、オンラインのスペースを含めたテレビ番組がこれまでにない注目を浴びている。一方、プロデューサーと脚本家の役割がはっきりと分かれ、実際に製作される映像に対しては大きな影響力をもつことがあまり多くない長編映画の脚本家に比べ、テレビ番組では脚本家がプロデューサー、およびshowrunnerとしてクリエイティブ面で大きな影響力を持つことができる現状から、テレビの脚本を書く事に興味をもつ学生が多くなっている。

 Screenwritingプログラムでは、この現状を反映し、テレビのドラマ、およびコメディ番組の執筆に特化した授業も提供している。また、Producers Programの必修授業として開講されている授業を選択授業として履修する事もできる。これらの授業においては自らのテレビ番組を開発すると同時に、登場人物や設定、エピソードのアイディアだけでなく、その番組を売りたいネットワークのブランドの分析やターゲットとなるオーディエンスの検証、キャスティングの案など、プロデューサー的な視点から番組を作っていく事が求められる。

 ネットワークやスタジオのブランド研究やターゲットとなるオーディエンスの検証等、プロデューサー的な視点でコンテンツを開発することは長編映画の開発の授業でも求められる。Producers Programの必修にもなっている「Feature Film Development」の授業では、クラスのエクササイズや課題を通して、ストーリー自体やそれを構成する様々な要素を学ぶだけでなく、それらをいかにして製作に結びつけるか、ターゲットとなるオーディエンスの層に効果的に届けるかといった方法も学ぶ。長編映画においては、ストーリーはプロデューサーが脚本家と契約を結ぶ前に生まれている場合が多く、プロデューサーが自らニュースの記事や既存のマテリアルから魅力的なストーリーを見いだし、それを映画化可能なコンテンツとして一定のレベルまで開発する必要がある。その場合、やはり脚本を書く際の基本となる要素、すなわちキャラクター、トーン、設定、会話などを効果的に浮き立たせる能力が必要となり、Screenwritingのプログラムはそれを惜しみなく提供していると言える。

 特にProducers Programで開講しているコースを選択授業として履修する場合、しばしばProducers Programの学生と組んでペアで作品を開発することが推奨される。また自らもクラスの中ではプロデューサーとして振る舞い、プロデューサーの視点から、脚本家へのフィードバックの出し方を始めとしたコミュニケーションの方法を学ぶ。学生はそれらのプロセスによって、お互いの関係を深め、将来につながる関係を築く事ができると共に、共にストーリーやコンセプトを提供し合いながら、共同執筆という形で脚本を完成させるなどの関係も生まれる。

1年次カリキュラム

 Screenwritingの1年次のカリキュラムでは、長編映画の脚本を2本完成させることが定められている。アメリカの長編映画の構造は一般的に3幕構成と呼ばれるスタイルが広く取り入れられているが、高度に構成された脚本をかけるようになることが目標の一つであるScreenwritingのプログラムでも、3幕構成に準じた脚本の執筆が基本となっている。必修のコースは「Screenwriting Fundamentals 」と「Introduction to Film and Television Screenwriting」の2つ。それぞれオリジナルの脚本を書き上げるワークショップで、秋セメスターの「Screenwriting Fundamentals」で長編映画の脚本の第1幕を完成させ、冬セメスターで残りの第2、3幕を完成させる。そして、春セメスターでは、これまでの2セメスターを通じて学んだ事を活かし、さらに新しく別の長編映画の脚本1本を10週間で完成させるという非常に中身の濃いカリキュラムになっている。これらのコースは通常8人?10人ほどの複数のクラスに分けられ、プログラムの教授、もしくは客員講師が教えている。

 また、必修科目の他にもいくつかの選択科目を履修する事が求められているが、通常1年次からそれらを取っていく。選択科目の中には、「Writer's Skills」という、卒業生のプロフェッショナルがクラスを訪れ、自らのキャリア形成や、キャリアのアドバイスなどをするコースや、「Acting for Writers」という実際の演技を通じて、より豊かで高度な脚本執筆の技術を身につけることができるような授業が開講されている他、Screenwriting以外のプログラムで開講されている「Film Editing」(Production/Directing科)、「Writing for Animation」(Animation科 )など、様々な側面から映画やテレビ番組を見つめ、それらを脚本執筆の技術に活かせるようなコースがある。

2年次カリキュラム

 Screenwritingプログラムには、いわゆる卒業要件にかかわる卒業製作のようなプロジェクトはなく、2年次の必修コースは「Advanced Screenwriting」のみとなっている。1年次に引き続き、長編映画の脚本を執筆する事に集中する。また、最近テレビ番組の充実に伴い、テレビドラマの脚本執筆に興味がある学生のために、ドラマ、もしくはコメディのパイロット版の脚本執筆のクラスを「Advanced Screenwriting」に代わるコースとして扱う事も可能となっている。いずれにしても、10週間という短い時間の中で執筆に情熱を傾け、自らのポートフォリオと言えるものを完成させるのが目標だ。

 また選択科目の履修も引き続き行う。選択科目は、学年ごとに取得できるコースが決まっている訳ではなく、Producers Program、Production/Directing、Animationなど、ビジネスや製作などの角度からコンテンツについて学ぶ事で、より説得力があり、実際に製作につながる脚本が書けるようになる。特にProducers Programで開講されている「Feature Film Development」「Feature Film Production, Marketing and Distribution」および「International Financing and Distribution」などのコースを選択することで、スタジオやネットワークブランド、およびオーディエンスの分析、ピッチの戦略、そして脚本やストーリーのセールスポイントの分析など、プロデューサー的な観点に磨きをかけることもできる。

 カリキュラム外ではあるが、自ら製作した短編コンテンツのアイディアを実際に製作し、ウェブ上で公開するなど、執筆だけではなく製作にも興味をもって積極的に取り組んでいる学生もいる。

卒業生の進路について

 Screenwritingを卒業した学生は、主にCAA、WME、UTAなどのエージェントと契約を結び、フリーランスの脚本家として活動するケースが多く、長編映画やテレビの分野での経験を積んでいく。卒業後しばらくは、テレビのパイロットやスペックスクリプト、および長編映画の脚本を書き溜め、在学中に作ったコネクションを活かし、スタジオおよびネットワークにピッチをして、チャンスを得るというケースも多い。また、全く別のフィールドからのキャリアチェンジをしてScreenwritingプログラムに入学したものの、卒業後に元の業界に戻って仕事をする傍ら、脚本の執筆を続けるケースもある。

 最近はアメリカでは特にテレビコンテンツの充実により、テレビ番組の脚本家を目指すケースも多くなっている。特にテレビ番組のライターはShowrunnerとして、クリエイティブ面で大きな影響力をもつプロデューサーとなることができるため、一度成功をおさめると、それが脚本家のキャリアとしては大きなターニングポイントとなりえる。また、長編映画でも本や記事などの既存のマテリアルの映画化権を獲得し、それを脚本として売り込む事で、自らも脚本だけでなくプロデューサーとして、クリエイティブ面で大きな影響力をもつケースがあるが、既存マテリアルのオプション契約における資金などがネックになる可能性は考えられる。

 プログラムには南米、アジア、ヨーロッパ、アフリカなど、世界各地からの留学生が学んでいるが、卒業後1年間のOPTが許される。しかし、その後はそれぞれの国に帰ってキャリアを積む事が多いようだ。人によってはテレビのネットワークからのスポンサーシップを受けたり、アーティストビザを取得するなどしてアメリカに残るものもいる。

著名な卒業生

 Screenwritingからは、商業的な成功を収めた作品、およびアカデミー賞や主要映画祭での受賞作品などを手がけた脚本家が数多く卒業している。最も有名な卒業生というと、やはりFrancis Ford Coppola (『ゴッドファーザー』)の名前が挙がるが、他にも『ミルク』で2009年にアカデミー脚本賞を受賞したDustin Lance Black、『ミッション:インポッシブル』『スパイダーマン』『ジュラシック・パーク』など名だたる映画の脚本を手がけたDavid Koepp、アカデミー脚色賞最多受賞者のひとりと言われ、監督を務めた『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』がアカデミー賞6部門にノミネートされたAlexander Payne、『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー脚本賞を受賞した他『ベンジャミン・バトン 数奇な人生 』や『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』など、高い評価を得た映画を多く手がけているEric Rothなど、枚挙にいとまがない。現在も、彼らに続くべく、多くの才能ある若い脚本家達がプログラムから巣立っている。