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Polish National Film School in Lodz(ポーランド)

世界最古の映画学校のひとつ

 Polish National Film School in Lodz (Lodz Film Schoolともいう)は世界最古の映画学校のひとつで、実習教育に重きを置いた教育プログラムを展開している。第二次世界大戦後、ウッチ市(Lodz市)に集った芸術家や芸術理論家は、ポーランドにも映画製作者を養成する映画芸術機関が必要だと考え、1948年に映画学校を設立した。

 Lodz Film Schoolでは次の4つの学科で学ぶことができる:

  • 映画・テレビ監督学科(専攻:監督術、映画編集、脚本)
  • 撮影監督・テレビ製作学科(専攻:撮影監督、アニメーションと特殊効果、撮影、テレビ製作)
  • 演技学科(専攻:演技)
  • 映画芸術製作統括学科(専攻:映画・テレビ製作統括)

 カリキュラムは実践的ワークショップをはじめ歴史・文化・芸術理論などで構成されている。

 ほとんどのコースはフルタイムのカリキュラムであることが特徴だが、映画製作統括専攻では定時制学習や大学院でのフルタイム学習なども提供している。これはほとんどがポーランド人の学生に向けたものだが、卒業後にポーランドでの就職を望む東ヨーロッパや中央ヨーロッパの国々出身の学生も対象としている。また映画、テレビ、演劇専攻の博士課程も存在している。映画製作ユニットは学生およびその指導教員と協力して学生映画の製作にあたる。年間300本近くのプロジェクトが実施されている。

 Lodz Film Schoolの学生はキャンパス内の様々な建物を映写、スタジオ、教室、クラス、ワークショップ、会議などに利用している。マルチメディア支援部門のスタッフはこれらのイベントを調整して技術的支援を行う。図書館および映画情報センターは映画、テレビ、演劇、写真、美術関連の書籍・雑誌・視聴覚素材の独特なコレクションを有している。図書館のアイテムの数は55,000冊、雑誌450種、サントラCD 3,000枚弱、DVD・ブルーレイ4,000枚以上にのぼる。Lodz Film Schoolのすべての生徒と講師、そして映画や演劇に関心のある人間なら誰でも資料を利用できる。

Lodz Film Schoolの授業

BA(学士)課程

 BA課程では幅広い一般教養に加え、映画製作ユニットでのトレーニングを通じて実用的なスキルを身につける。映画製作ユニットは学生による映画、アニメーション、テレビ、演劇の企画を手掛けるとともに、プロの企画にも参加する。電子メディアに関する深い知識も得られる。指導プログラムには経済、法律、経営、映画およびオーディオビジュアル芸術、メディアコミュニケーション、文化史・芸術史の基礎クラスも含まれる。学部後期になると一般教養を補完する専門知識を学ぶようになり、映画史、脚本分析、映画・演劇の演出基礎、映画・テレビの製作技術、アートディレクション、撮影監督、映画編集、そしてその他映画・テレビ製作の仕事に備えるための科目を履修する。

 授業では映画やテレビの歴史的知識と現在の知識、情報技術分野における近年の発達、映像と音源の制作技法などを複合的に学ぶ。学生は関心のある分野の知識を得ると同時に、その知識を個人およびチームの企画に活かすための応用力を身につける。学士課程を終えた学生は、そのまま映画テレビ製作統括の修士課程に進学するか、ポーランドだけでなく広大な世界の就職市場で職を求めることになる。

MA(修士)課程

 MA課程では映画とテレビの製作統括分野の一般的知識を身につけ、多くの現場で経験を積む。2年間の課程を通じて学生は知識を深め、スキルを高め、社会的能力を身につけるだけでなく、学校の映画製作ユニットでボランティアとして映画、アニメーション、テレビ、演劇の企画(最も面白くためになるのは映画監督学科の卒業製作)に参加できる。

 修士課程では現代文化の視聴覚的側面、芸術とメディアのトレンド変遷、電子メディアの美学などを専攻できる。指導プログラムでは現代映画、文学分析、映画のPR術、映画製作のファイナンス、税制、共同製作、映画配給、ニューメディア関連法規、モチベーションアップの技術、映画撮影術、劇場管理、広報宣伝キャンペーン統括などの基礎が学べる。

 在学期間中はポーランド、ヨーロッパ、そして世界のその他の地域のメディア産業についての知識も身につけさせ、卒業後に外国での就職活動ができるようにしている。

 MA課程を終えた学生には、博士課程への進学、ポーランド国内外での就職活動、自身の映画・テレビ製作スタジオの設立などの選択肢がある。

脚本コースについて

 監督学科では生涯にわたって脚本を書き続けるという決意を持った学生を対象とするフルタイムの脚本執筆コースを開設しており、学士で3年、修士で2年の履修課程となっている。

 学士課程で開講されている最初の3年のプログラムでは、脚本の執筆スキルとその本質を学ぶ。学生はこの時期に脚本家としての自分の個性を発見し、確立する。続く2年は修士課程で、プロとしての脚本執筆経験が豊富にある学外の履修希望者にも門戸が開かれている。

 本校の指導プログラムの中心となるのは実践経験である。したがって毎日の家事と同じように、短編映画から連続ドラマや長編映画まで、とにかく書くことが求められる。そして実際の執筆をサポートする脚本執筆スキル、ドラマツルギー、ナラティブ、心理学、映画史などの知識も身につけることになる。脚本コースの指導内容は映画監督カリキュラムと密接に連動している。

 未来の脚本家は表現手段としての映画について実践的知識を得るわけだが、自らの短編フィクション映画の脚本を監督学科の学生に使用されることもある。脚本専攻の卒業生は、フリーの脚本家としてすぐに独立できるだけの知識と経験を身につけているはずだ。

留学生について

 Lodz Film Schoolはフルタイムの有料課程に留学生を受け入れている。入学試験には2種類あり、ポーランド語を話すポーランド人およびEU加盟国民、その他あらゆる国のポーランドの市民権を持ちポーランド語を話す志願者のために毎年6月に実施される。試験はポーランド語で行われる。この試験に合格した者は学費が免除となる。もうひとつの入学試験はポーランドの市民権を持っていない留学生を対象として通常9月に実施される。ポーランド語を理解しない学生や英語での受験を希望する学生は、この試験を英語で受けてもよい。この試験に合格した志願者は、授業料を支払って特定の専攻科目を学ぶことができる。特殊なケースとして、志願者が英語もポーランド語も話さない場合、事前にその通知があり調整が可能な場合に限り、学校が別言語の通訳を手配することもある。二重国籍(ポーランドと外国)の所有者はポーランドの領土内ではポーランド国民として扱われる。

 すべての授業はポーランド語で行われるため、ポーランド語を理解しないが外国人学生は、まず1年間のポーランド語コースに通い、語学学習に専念する。授業料は2,000ユーロである。次の年からポーランド人の新入生とともに映画研究を始める。また、特定の映画関連コースのみ履修することも可能である。