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La Femis(フランス)

La Femisについて

 La Femis (Ecole Nationale Superieure des Metiers de l'Image et du Son)は、フランス文化通信省管轄の国立映画学校である。CNC(フランスの国立映画センター)が資金提供を行っている。1986年に設立された非営利団体であり、現在は「商工業的公施設法人」としての地位を有している(1996年12月16日の法律、1998年5月13日の法令による)。

 La Femisの年間予算は1070万ユーロの範囲である。複数の資金提供源があり、CNCからの助成金が76%、La Femis自身の資源と追加の補助金が17%、残りの7%は映画・オーディオビジュアルセクターの企業が納める見習い訓練税で賄われている。

 1998年5月13日の法令が定めた本校の使命は以下のとおり。

  • プロの業界と連携のもと、映画やテレビをはじめとするその他すべての通信・視聴覚的表現分野で初期および継続的な教育とトレーニングを行い、学位資格を授与する。
  • 映画や視聴覚文化をはじめ、映画撮影や音響製作分野における理論的、芸術的、技術的研究の促進と普及を行う。
  • 同様の目的を共有する機関や関連する目的を持つフランス国内外の機関と協力する。
  • 映画撮影や音響製作部門分野における教育的、芸術的、技術的、科学的資料のデザイン、ドラフト、製作、出版、配給を行う。特にLa Femisの学生が在学中に製作するオーディオビジュアル作品や資料のデザイン、ドラフト、製作、出版、配給に力を入れる。

設備

 La Femisはパリのモンマルトル地区にあり、かつてはPathe社のスタジオがあった所にある。1万平方メートル近い敷地の中で、一番大きな区画を完全な映画スタジオが占めている。スタジオは基本的な機材を完備し、業界の技術進歩に合わせて機材も常にアップグレードされている。学生のためのドキュメンテーションセンターもある。

技術設備

 La Femisには最新のデジタル機材が揃っている。設備はCNCからの資金提供に加え、複数の機材メーカーとの特別な提携関係により展開されている。その見返りとして一部の機材メーカーのために研究を行っている。 技術設備の一例:

  • 4つの映画スタジオ(いずれも250平方メートル)
  • 4Kと2Kのデジタル技術を備えた3つの上映室(170席、63席、20席)
  • 30の編集スタジオ
  • 3つのミキシングスタジオ
  • 2つのキャリブレーション・トレーニング・ステーション
  • 1つのレコーディングスタジオ
  • 1つの製作ネットワーク
  • 1つの作業場
  • 1つのプロダクションデザインスタジオ
  • 1つの特殊効果トレーニングルーム
  • 2つの機材、メンテナンス店: カメラ・音響店/照明・機械店
  • 高解像度デジタルシネマカメラ
  • デジタルレコーダーとプロフェッショナル・マイクロフォン

学部構成について

 La Femisの中心的活動は、監督、映画撮影、プロデュース、脚本、編集、音響製作、プロダクションデザイン、撮影用台本、配給・映画館管理など、映画に関わるさまざまな分野における学生のトレーニングである。2013学年度より「テレビシリーズ開発」および「芸術デザイン」博士課程教育プログラムが加わった。コアプログラムには7つの学部があり、期間は4年。各学部6名の学生が在籍する(プロダクションデザイン学部は4名)。

 フランス人学生は全国各地から集まっている(入学を許可された学生の3分の2はパリ以外でバカロレアを取得している)。学生の15%はフランス国外の出身者である。入学時の学生の平均年齢は23歳。男女比は均等である。

講師

 La Femisは常勤の教員陣を持たない。プログラムの作成を担当する学部長の指揮のもとで毎年500名以上の職業人が講師として迎えられ、授業、ワークショップ、実習、上級特別クラスを指導する。

夏期大学について

 夏期大学は外務省が支援する2ヶ月間のプログラムである。ドキュメンタリー映画の製作に不可欠なツールの習得と芸術的アプローチの開発を目的としている。夏期大学は世界各地の若手の職業人に、チームの一員として作業し、共通の興味を持つ職業人と出会い語り合うユニークな機会を提供する。また若手の職業人の世界的ネットワークに加わる素晴らしい機会でもある。コースの開催期間は6月から7月。

 参加者の選考は書類審査により行われる。参加者はフランス語に堪能であることが必須であり、フランス大使館から奨学金を獲得したアフリカ、アジア、中東、中南米、東ヨーロッパ(ユーロ圏を除く)出身の若手職業人15名が選ばれる。

Screenwriting Departmentについて

 La Femisの脚本執筆教育はあらゆるジャンルと物語のスタイルを探求し、その方向性は学生一人一人の独特な感性によって導かれる。 指導は4本の長編映画脚本執筆を中心に行われる。それぞれの脚本執筆において、学生は指導者である「ワークショップリーダー」の注文に応えなければならない。ワークショップリーダーは学生に対して想像力を掘り下げ増進するよう支援し、ストーリーを創作するうえで必要と思われるドラマ構成ツールを提案する。

 執筆プロジェクトを導くにあたり、古典的なドラマ構成の再教育が提供され、学生一人一人が自分自身のスタイルを見つけだす手助けをする。複数の実践的なワークショップがテキストに沿って実施され、俳優が参加することで、学生が自分のストーリーの構成とトーンを見つけ、登場人物が脚本から抜け出して存在できるようにする。また監督学部の学生と共同で行う脚本執筆作業を取り入れ、短編映画をチームとして製作する課題にも挑戦する。

 脚本学部を履修した学生は、4年間のプログラムを終える時にはどんな長さのストーリーも着手・構成できるようになり、ストーリーの根底にある意味を完璧に把握し、最終版を提出する前に書き直しが必要な箇所を特定する分析力を身に着ける。

Producing Departmentについて

 Producingプログラムは次のような中心的原則を守っている。

  • ビジネス的な判断力に加え、芸術的な技術や対人能力なども含めた育成をとおしてプロデューサーのトレーニングにあたる。この原則はプログラムの中で学生が製作するすべての映画に適用される。
  • 講師の選定はあらゆる職業分野を対象に、業界の最新の動きを把握し、学問分野、資源、視点の多様性を真に反映する職業人から人選する。その狙いはフランス国内外で見られる多数の製作方法を学生に紹介することである。
  • プロデュース学部の学生が業界で就職する機会を最大限に高めるため、学外にある機会の活用を学生に促す。2つの映画祭への参加、日本の学校との交換留学制度の活用、2年生と3年生での実務研修制度など。
  • 他学部、他学年、配給・映画館管理学部、Atelier Ludwigsburg-Parisの学生と共同製作を行う機会の設置。多様性の融合、個人経験の充実、そして我々を駆り立てる映画の創造的自由を促すことが目的である。

 学部のトレーニングは、多面的な要素を伴う製作の仕事に対してできる限り包括的なアプローチで臨み、映画製作業界を掘り下げて分析するところから、3年生ではテレビシリーズの執筆と製作まで発展させる構成となっている。

TV Series Development Courseについて

 ここ数年、テレビシリーズは重要な開発分野となっている。魅力的なテーマ設定をしている米国やヨーロッパ各地のオリジナルシリーズは、絶えず我々の画面に映し出されている。フランスでは、この形式でキャリアを追求することに意欲を燃やす新しい世代の作家たちが出現してきている。何年も遅れを取ったが、フランスのテレビも人々を魅了する創造的な番組を作れる素地が整ったようである。La Femisは、テレビシリーズに特化した新たなトレーニング講座を導入することで、多くの視聴者が待ち望むフランスのシリーズ番組の復活に不可欠なノウハウ開発に参入した。

 1年間のプログラムは授業、ケーススタディー、フランスをはじめヨーロッパ各国や米国から招いたプロフェッショナルとの上級特別クラスで構成され、以下の4つの主要構成要素を中心にトレーニングが行われる。

  • テレビシリーズのドラマ構成に関する掘り下げた指導(あらゆるジャンルと形式の組み合わせ)
  • フランスのテレビとヨーロッパの共同製作の具体的な環境についての(経済的、法的、その他側面の)包括的な提示
  • 編集、製作指揮、芸術製作、監督および俳優との協業に関する特別トレーニングモジュール
  • すでに放映中のシリーズのエピソードの執筆から新たなシリーズの創作までを含む執筆プロジェクト(プログラム百科とパイロット版エピソードの執筆)

 テレビシリーズは、あらゆる段階で絶え間ない創造性と謙虚さが必要とされ、常に高い水準と真のチーム精神が求められる独特のジャンルである。チーム精神には作家同士だけでなく、作家と他の利害関係者、つまりプロデューサー、監督、配給業者、そして言うまでもなく俳優や技術者との関係も含まれる。