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イベントレポート:『こびとづかん』にみる創造コンセプトのつくり方
概説
 キモかわいいシュールなキャラクターが受けて、幅広い層に人気の絵本『こびとづかん』。その生みの親であるなばたとしたか氏と密にコミュニケーションを取り、コンセプトを考えてきた株式会社ビルドーの国領一樹氏が、『こびとづかん』に対する想いとブレイクスルーを起こした方法論、そして今日のライセンスプロデュースに必要な心構えを語った。
内容

登壇者

国領一樹/Kazuki Kokuryo

株式会社ビルドー 代表取締役

モデレーター

陸川和男/Kazuo Rikukawa

株式会社キャラクター・データバンク 代表取締役社長

1.決してブレてはならない原点の確認

 私が『こびとづかん』のキャラクタービジネスに携わる際、原作者のなばたとしたか氏と長崎出版の中西洋太郎編集長に確認したことが3つある。まずひとつ目は、原作である絵本がすべての根底にあるという認識。そしてふたつ目は、その絵本の発行部数をベースにした適切なサイズでのビジネス展開を行うという認識。そして最後に、目先の利益を追わず長期的な視野を持って挑むという認識だ。

 当初、なばた氏と中西編集長は、『こびとづかん』のキャラクタービジネス展開には後ろ向きだった。それは、何らかの商品にただ『こびとづかん』のキャラクターを貼り付けたようなものが氾濫することを、心配していたからである。私も単純な商品化には興味がなく、『こびとづかん』が生み出した文化にさらなるエンタテインメントを生み出す、カルチャービジネスをやりたいと考えていた。

2.企画を持ち込んだ"人物"を見る

 『こびとづかん』商品化のオファーがあった際は、最初になばた氏と中西編集長、そして私の3人で、その方たちと直にお会いすることにしている。ほかのキャラクタービジネスでは電話やメールだけでやり取りする人もいるだろうが、それは私たちにとって考えられないことだ。なぜなら、商品化に際して私たちがもっとも重視しているのは、その企画を持ち込んだ人物に共感できるかどうかだからである。

 もちろん私たちも共感してもらうべく、『こびとづかん』に対する想いを精一杯お伝えする。仕事はスピードが大事だとよく言われるし実際にそうなのだが、ここをおろそかにはしてはいけない。金額の話は最後で、まずは信頼関係を築けるどうかが大切なのだ。相手が大会社だろうと個人企業だろうと、そんなことは一切関係ないと考えている。

3.自由な発想がキャラクターを広げる

 他社のキャラクターには、商品化に際してさまざまなルールを設定していることが多いが、『こびとづかん』にはそれがない。企画を持ち込んでくれるほどの意思を持った方々に、これは駄目だ、あれは駄目だと、最初から言いたくないからだ。まずは何にもとらわれず、自由に企画を考えてほしい。私たちがお渡しする素材がどのように使われようとも、それが面白く、そこに愛があるならアリだと考えている。

4.プロとしてロマンを追う

 『こびとづかん』のキャラクターは「キモかわいさ」が受けたとよく言われるが、原作者のなばた氏はもちろん、私もそれをねらっているわけではない。子供向けとか大人向けといったようなことは考えずに自分たちが面白いと思うものをつくった結果、幅広い層から支持を受けた。

 キャラクタービジネスである以上、利益を第一に考えることは間違いではないかもしれない。しかし、自分がやりたいことを好きなようにやり、それが多くの人々に喜ばれるなら最高だろう。この業界はそんな青臭いことを夢想しても許されるのではないか? そういう気持ちこそ忘れてはいけないのではないかと、最近では考えている。 片方の手にソロバンを持ち、もう片方の手でロマンを追いかける。そうすれば、きっと必ず結果が出ると信じたい。

基本情報
事業名
UNIJAPAN Entertainment Forum 2011
会場
六本木ヒルズ40Fセミナースペース(港区六本木)
開催日
2011/10/26
主催
Creative Market Tokyo 2011