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イベントレポート:カナダでの資金調達
概説
 数々の作品でプロデューサー、監督、脚本家として活躍している制作会社Couzin Filmsのジアード・トゥーマ氏が、「カナダでの資金調達」をテーマに登壇。カナダ映画の製作状況を紹介しながら、カナダでの資金調達の現状について語った。
内容

登壇者

ジアード・トゥーマ/Ziad Touma

Couzin Films Inc. プロデューサー

1.カナダの映画産業の現状

 カナダでは、さまざまなところでロケができる。西から東まで美しいロケーションがたくさんあり、世界中の街並みもそろっている。ほぼすべての地域にフィルムコミッションもあるので、撮影に役立ててほしい。

 映像などの製作状況は、2008年では全体で約23億ドルが使われており、そのうちの44%が映画製作である。海外から入ってきている製作費が約17億ドルあり、海外からの資金が全体の34%を占めている。1本当たりの平均予算は約364万ドルだが、英語作品は二極化しており、インディペンデント系は300万ドルが上限で、メジャー系は600万ドル以上になってきている。リクープは劇場が50%を先に確保し、配給会社が35%、出資者はトップオフの経費が精算されたあとで均一に分配される仕組みだ。

 2007~08年にかけて製作された映画の本数は75本。そのうちの30本はケベック州で作られており、作品中の使用言語はフランス語が24本、英語が6本である 2008年の共同製作としては20~25本で、ポイント制度を利用するものと、税控除の制度を利用するものとがある。ポイント制度は10点を満点として、監督、撮影監督、美術監督、主演俳優など、1ポイントずつ加算される。税控除の制度を利用する場合は、連邦レベルと地方レベルの両方を計算して出資が決まるが、地方レベルでは平均して20~25%の控除が与えられる。控除対象となるのは、人件費や製作費だ。西海岸などは、控除の割合を増やして撮影の誘致をしているところもある。

 また、マジョリティフィルムを対象に、350万ドルまで出資する州がある。マジョリティフィルムとは、その国の出資比率が51%以上である作品のことだ。例えば、ケベック州政府映画公団SODECでは、150万ドルを上限にマジョリティフィルムへ出資してくれるので、ほかの調達資金と組み合わせるのが理想的だ。

2.カナダでの共同製作のあり方

 カナダには共同製作の協定が約54ある。これは日本が結んでいる唯一の協定かもしれない。中国、香港、韓国、アルゼンチンなどとも協定を結んでいるが、最も利用しているのはフランスとイギリスだろう。特に、フランスに関しては更に別の協定があり、合作が決まった段階で自動的に提供される資金が存在する。

 日本とカナダの協定は1994年に結ばれた。作品のアイデンティティはそれぞれに認められているので、日本もカナダも自国の賞に出品できる。どちらも最低20%の比率で出資に参加することになっているため、2対8といった比率もあり得る。もし、この比率で共同製作が決まったら、コピーライト、出資、リクープもその比率で与えられる。共同製作には第三者も参加可能だ。

基本情報
事業名
日欧加コプロダクション・ラボ in 京都
会場
京都ロイヤルホテル&スパ 2F「瑞雲」(京都府京都市中京区)
開催日
2011/1/10(月) 9:15 - 10:45
主催
経済産業省/公益財団法人ユニジャパン/Ateliers du Cinema Europeen/Telefilm Canada